店舗について

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1.八重山三線工房は沖縄県石垣島にあります。

1.1 手作り、そして、島材に特化した工房です

三線は作り方によって、また材料によっても音の響きが全くといっていいほど異なります。

高価で有名な八重山の黒檀にしても、作り方をおろそかにすれば、
全く響かない棹に出来上がる事もあります。

その材料にあった手法で、一つ一つ丁寧に仕上げていくことで、
三線に命を吹き込む事につながります。
木の状態をみながらコツコツと削っていく、数ミリ単位での狂いも音に影響が出てきます。
これを使ってくれるお客様の事を考えながら、丁寧にしっかり作っていく。
その事が一番大事だと思います。

1.2 石垣島の島材『ゆし木』

三線に使われる島材で有名なものに『ゆし木』があります。

ゆし木とは和名『イスノキ』と呼ばれる木で民家に使われる木としても人気があり、かつ高級なものでした。

沖縄本島では防風林に使われるほど強固でかつしなやかさをもつのがゆし木です。
そのゆし木の実の締まりは実際手に取ってみると本当に驚くと思います。

名器と言われる三線「開鐘(けーじょー)三線」があります。三線の型の一つ『真壁型』の中で特に響く三線が『開鐘』と言われています。その中の一つ「富盛開鐘」『ゆし木』を使っているのです。

どんな音を求めるかで材料も違ったのでしょうが、八重山黒檀でなければ三線ではない、とまで言われていたかつての三線の中で、その中でも開鐘扱いの三線の中に『ゆし木』があったのも作ってみるとうなずけます。柔らかく優しくどこまでも響く音。実が詰まったしなやかなゆし木芯ならではの響きは格別です。

 

真壁型ゆし木三線棹

 

1.3 島材ゆし木とはどんなものか。

ゆし木は完全に乾燥するまでに20年~30年かかると言われています。とても長い時間をかけないと完全に乾燥しません。八重山黒檀同様今では伐採禁止となっているため今では三線の棹として充分な音を奏でるだけの実のしまったゆし木の芯材が品薄になっても当然です。

多分この先『ゆし木の芯材』も『八重山黒檀』と同等に、いやそれ以上に品薄になり価格が高騰するとまで言われています。現在すでに『ゆし木の芯材』の相場となると10万円越え~30万円前後となっているのが一般的です。
一口にゆし木といっても実は種類があり『黒ゆし木』や『赤ゆし木』などがあげられます。

黒ゆし木は名の通り、濃茶、特に芯の部分はほぼ黒に近い茶色です。

赤ゆし木は濃い赤茶色です。黒ゆし木に比べると若干密度が低くなりますが、上品な音が響きます。

そして、ゆし木の芯には濃茶の模様が入る事があります。この模様が透明塗りをするとまた際立って綺麗です。

どのゆし木であっても、八重山三線工房では『芯』の部分しか使いません。響かない三線を作るのは面白くない、といった理由もありますが、そんな三線をお客様にお渡ししたくありません。芯を外せば価格はそれなり下がるかもしれませんが、出来るだけ上等な三線を届けたいと思っています。

粗切りしたゆし木

 

1.4 八重山三線工房とゆし木

八重山でゆし木は築70年くらいの古民家を解体する時に3軒に1軒くらいの割合で三線に使えそうなよいゆし木がみつかります。

人から聞いた話ですが、昔の人はいつか家を取り壊す時に三線が作れるようにと、その為のゆし木を家を建てる際に何本かいれておいたらしいです。しかし、時が経ち今の人はどういう木で三線が作られているかを知らない。そんな思いが込められた木が、そこにあるのを気づかずに他の木と一緒に廃棄してしまいます。

こうして、解体する家があると聞きつけては廃材を譲ってもらいに出かけ、三線として生まれ変わる木を何年とかけて探して集めてきました。

古民家からのゆし木

こうして三線として生まれ変わった島材はまた代々人々の手に渡って大切にされていく。
家族を守ってきた家の一部としての役目が終わった島材が三線として生きを吹き返すのです。

この八重山の三線の伝統を、先祖が残してくれた島材を絶対に廃らせてはいけないという思いで22年もの歳月をかけて一心に作り続けてきました。

是非とも、八重山の文化、伝統『ゆし木』の三線をお手元に、一生ものになるのは間違いありません。